サンマについて
前回はサンマの栄養について話しましたが、そのサンマが現在では捕獲の数が減り値が高騰しつつあります。
前回のサンマの話はこちら↓
サンマの内臓と皮にはビタミンやEPAやDHAがあるので丸ごと食べる!
サンマは他の魚とちがい、現代ではまだ養殖することはできないのでみなさんが口にするものは全部が天然物という珍しい魚でもあります。
夏から秋に自然に日本の近くまで回遊してくるので捕獲して、それが市場に出回りやがて食卓へと届きます。その数が減れば当然のように値が上がるのです。
今は民衆が手軽に口にできる栄養食なのですが、そのうちに裕福な人が食べれる高級食材にならないか心配でなりません。ではなぜそんな危機になっているのでしょうか?
なぜ近年秋刀魚の値が上がってるのか?
サンマは夏~秋になれば産卵のために群れの一部は日本やロシアの排他的経済水域(EEZ)に回遊してきます。そこで日本やロシアの漁船により捕獲して市場に出回ります。
近年そのサンマの量が減ってます。それはなぜでしょうか?
海水温が高い
北海道の東の海に海水温の高いかたまりがあり、これを暖水塊と言われてますが、サンマは15℃くらいの海水を好むのでこの暖水塊を嫌います。なのでいつも獲ってる北海道の東の海の漁場にはサンマはよってこないのです。
つまり、北の温度の低い海流に乗っていつもはやってきますが、暖水塊により北海道の東の海まではなかなか寄り付かないのが現状ではあります。そして暖水塊は東北の三陸の沖合いにもあります。北海道の東の暖水塊はこの三陸の沖の暖水塊が分裂したものだと見られています。
暖水塊
ここで暖水塊のことを少し説明しておきます。暖水塊とは200~300キロの周りと比べて海水温の高い日本では時計回りの海流の渦です。
2017年に7年くらい続いた暖水塊が消えたんですがまた2018年に前のときよりも陸地に近いところで観測されてます。
中国や台湾のサンマ漁の参入
近年秋刀魚の需要が中国や台湾でも増えてきました。増えてきたというより食べだしたって言い方の方が正しいかも知れません。当然サンマを取るための船も増えました。特に台湾はサンマの漁獲高は今では日本よりも多くなってます。
日本とロシアでは自国の排他的経済水域(EEZ)でサンマを獲ることができるのですが、中国や台湾はそれよりも外の公海といわれる海でサンマを獲ります。
そのため日本とロシアの排他的経済水域に来る前で漁をすることになります。前でたくさんのサンマをとられてしまえば回遊してくるサンマは減るという意見もあります。
台湾の漁船は日本の漁船と比べてはるかに大型で日本の漁船は大きくて200トンですが、現在の台湾の大型漁船は1200トンあり、日本の漁船の5~6倍もあります。なので大量のサンマを獲ることが可能だし、大型漁船から小型の運搬船で自国へ運ぶために大型漁船はそこに居すわり漁をしつづけることができます。
現在では日本の漁船の捕獲よりも能率が悪いとは言われてますが、規模が違います。
年々サンマの漁獲高が増え続けてる中国や台湾に対して日本それにロシアといった国々はサンマの漁獲に対して各国制限をもうけようと話し合いしていますが、なかなか前に進まないようです。もちろん中国や台湾が公海で漁をしてるのだから当然の事をしてるのだし、日本やロシアも同じ事をすればいいんでしょうけど。
この問題はなかなか解決の道は遠そうです。中国や台湾の国民もサンマの美味しさを知り毎年楽しみにしてるのは同じことなので…
結局のところ
中国や台湾の獲ってる量からしてサンマの漁獲に多大な影響があるとは言えません。サンマの漁獲高が今のままでも問題ないとも言われてます。
本当に問題なのは地球の温暖化などの影響なのか暖水塊などの発生が大きくサンマの漁獲に関連してると思われます。日本はこのまま排他的経済水域で漁をするのか、公海に進出するのかこれからの動向に注目したいと思います。
日本のサンマ漁は最高200トンの漁船って決められてるとか、大型船を配備するのか、国際的なサンマ漁の解決をするのか問題はたくさんあります。サンマは世界の資源です。
サンマを必要としてる国が協力してこの先も食卓に安価な値で並ぶことを望みます!