中学になる前になるとクラブチームのセレクションを受ける機会もあるかと思う。憧れのチームのユニホームが着れるかもしれない。そこを目指して一生懸命頑張る子たちを見ているとどの子も良い結果であってほしいと思ってしまう。
だがJ下部組織などのクラブチームのセレクションは狭き門であり合格するにはかなりの倍率だということは皆さんもご存知でしょう。チームによっては少数しか取らない上にすでに入部内定している子がいるからほとんどが不合格になりほんの数人だけしかセレクションで合格しない場合もある。
今回はクラブチームのセレクションが根本的にトレセンの選考会とは全然違うということ、J下部チームと街クラブチームとの違いなどを経験や体験をした人やサッカー関係の人の話をもとにまとめてみました。
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目次
J下部と街クラブチームの大きな違い
ジュニアユースのクラブチームとひとくくりに言われているが大きく二つに分かれる。J下部チームは大小はあるが立派な企業なのに対し街クラブチームはサッカーの団体ということ。
分かりやすく言えば、J下部はどこかで利益をあげることが求められる。なので損するようなことはしない。企業なので負担になることはしないと考えていいだろう。なのでグランドや設備が整っているが会費は要る。ビジネスなので当然のことだ。
それに対して街クラブは利益よりもチーム力を高めるのが目的でそこにサッカーを通じての楽しみ方や育成が伴ってくる。もちろんグランド代やチームの備品やその他運営費はかかるので月会費は必要になるがスタッフの利益にはなってない。
以下に大きく違う点をまとめてみた。
J下部チーム
- コーチやスタッフには給料か報酬が発生する。
- 利益優先。
- 宣伝、PR活動はある。
- 専用のグランドを持っている。
- スポンサーが多く、大手のスポンサーも付いている。
- 広い地域に活動してスクールもいくつか持っている。
- トップチームで活躍するチャンスが近い。
- 県などのトレセンレベルとして扱われる。
- 宣伝にもなるので強いチーム作りが最優先。
- 上のカテゴリーに上がれない場合は退団。
街クラブチーム
- コーチやスタッフはボランティアがほとんど。
- 利益優先ではない。
- 宣伝、PR活動はするが規模が小さい。
- 専用のグランドを持っているチームは少なくほとんどが学校や公共のグランドを借りている。
- スポンサーが付いているチームも最近では増えてきたが大手のスポンサーはなかなか付いていない印象だ。
- スクールを開催しているチームもたまにある程度。通える範囲でチームに所属している為に区域のチームって感じが強い。
- 上のカテゴリーのチームを持っていないので卒団すれば次を考える必要がある。
- 地区トレセンや県トレセンなどの選考会を合格しないとトレセンに入れない。
- 強いチーム作りと個を伸ばすことを重視。
- 次への進路を親身になって一緒に考えてくれる。
大まかではあり、全てのチームに当てはまらない事項もあるかもしれないがこの2つのチームの大きな違いはこんな感じだと思う。企業と団体の違いと考えてくれれば理解できるかと思う。
Jリーグなどに参戦しているチームは規模も大きく設備の維持費や人件費などの運営費の他に宣伝費や経費などもかかり大きな規模で運営していかなければならない。なので利益を求めるのは当然のことなのだ。
利益はどこで?
収益をどこで上げているのかということに少し触れてみたいと思う。ここではJリーグで活躍している下部組織を持つチームで考えてみた。
- 広告料収入
- トップチームのサッカー観戦チケット等の収益
- チームのグッズなどの収益
- Jリーグ分配金
- イベントなどの収益
- スポンサーからの協賛費
- ファンクラブなどの会費などの収益
- スクールや下部組織の会費
- 寄付金
企業なので収益も広い範囲でスケールも大きいと言えますね。では街クラブチームではどうだろう?
- スポンサーからの協賛費
- 所属している選手の会費
- 寄付金
- スクールでの収益
以上のスポンサーからの協賛費やスクールでの収益は無いチームの方が多く、チームのほとんどが会費で補っているというのが現状ではないかと思われる。
以上のことから考察すると街クラブチームは専用のグランドを持たなくて活動しているのもうなずけるところではないだろうか。
チーム構成の違いは?
街クラブチームでもJ下部チームに引けを取らないくらい強いチームもある。そのようなチームでは地域から入団希望も多くセレクションを行っている。だがその多くは1学年で20人以上はとっているチームが多い。スタッフを多く持つクラブチームでは1学年で40人ほどいるチームもありチームによって違いがあるのが街クラブチームである。
どうしても会費が主な運営源になっている街クラブチームではある程度の人数の確保は必要になってくるのではないかと思う。
一方、J下部チームでは多くはとらない。多くて20人未満でおさまる。少数精鋭ってイメージしてもらえるといい。中には特にサッカー競技人口の少ない女子では3学年合わせて1チームとして活動しているチームもあるくらいだ。
企業なので余裕はあることから少数でもじゅうぶんにチームとして運営していける。街クラブチームと比較すれば少数の選手でスタッフ多数といった感じですね。
獲得選手の違い
J下部チーム
これは近年の状況から見ているとJ下部チームでもバラつきがあるようだ。テクニックがありある程度完成されている子を獲得してるイメージはある。セレクションをどこよりも早く開催するし、看板もあるのでチームが強くなくてはならない事から完成された子を獲得するのは仕方ない。
素質があっても可能性がある選手、またはどこかに特化しただけの選手は選ばない。だがそういう子がレベルアップして街クラブチームでも目立つようになれば獲得する。個人がレベルアップして出来るようになった子を獲得して更にレベルアップさせる。
ビジネスなので強くなくてはならないのだから確実に出来る選手を獲得しようとするのは当たり前のこと。このことからわかるようにセレクションを行う以前にスカウトが目を引いた選手には既に声をかけて内定している。
そしてほんの数人をセレクションで選びつつその間にも他の大会の試合などに出向きいい子を探している。セレクション中に声がかからなかった選手は合格の可能性は低いのが現状。
街クラブチーム
チームにより形態がバラバラなのでいちがいに言えない。だがJ下部チームのセレクションに受からなかった子も受けなかった子もサッカーをまだ続けたい子は街クラブチームか学校の部活を選択する。
通いやすい、地域の街クラブチームでは強いチーム、月会費が安い、チーム方針が自分に合っている、スタッフが良いなどの様々な理由で集まるのが街クラブチームである。
チームの結束力やチームワークはJ下部チームよりも優れてるかもしれない。人気のあるチームではセレクションをしているチームも近年では多くなってきた。
次回にはJ下部チームのセレクションとトレセンの選考会で大きく違う点と注意点について述べようと思う。
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つづく